スロープのあるアプローチづくりのコツ
61

スロープのあるアプローチづくりのコツ

今は階段でスムーズに上り下りができても、将来、家族の誰かが車いすを必要としたときや、お子さまが生まれてベビーカーを使用するときなど、スロープがあるとラクに移動ができて安心ですね。

そこで今回は、ご自宅の玄関アプローチにスロープを設置する際に知っておきたいポイントをご紹介します。

知っておきたい
スロープづくりの4つのポイント

傾斜はできるだけゆるやかに

ベビーカーや車いすなど利用者によって上り下りできる傾斜は変わります。特に車いすでは、介助者のあり/なしでも変化するので、誰もがスムーズに利用するためには、できるだけゆるやかな傾斜であることが望まれます。

たとえば、公共施設などに推進されているバリアフリー法では、屋内で1/12、屋外で1/15の傾斜が望ましいとされています。これは、屋外で30㎝の段差にスロープをつくる場合、4m50㎝のスペースが必要ということです。

1/15の傾斜とは?

ただし、傾斜がゆるやかなほどスロープは長くなるため、傾斜に見合ったスペースが必要です。

もし、アプローチに十分なスペースが取れない場合は、スロープを折り返す設計にして、スペースにおさめましょう。

折り返しスロープ

スロープ幅は、余裕を持った設計を

車いすが通る場合、スロープの横幅もしっかり確認することが大切。

手動車いすと電動車いすともに横幅は最大で70㎝とJIS規格によって標準化されているため、スロープの幅は最低でも80㎝程度は考慮しておきましょう。この幅であれば、ベビーカーも通ることができますよ。

車いすで方向転換する際にさらにスペースが必要な場合もあるので、利用者やシーンに合わせた設計が必要です。
また、幅が十分でないと脱輪する可能性もあるので、5~15㎝の縁石を設けておくと安心ですね。

(出典)国土交通省「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 第3章 基本寸法等」2-286

スロープ幅は、余裕を持った設計を

すべりにくいスロープの素材とは?

コンクリートやタイルなどスロープの素材によっては、雨に濡れると滑りやすくなることも。
タイルを使用する場合は、滑りにくい加工が施されているものを選びましょう。

また、雨の日でも安全に上り下りできるスロープにするには、「インターロッキング」や「洗い出し」などもおすすめ。
コンクリートでできたブロックを互いにかみ合わせるインターロッキングは、カラーバリエーションも豊富でさまざまなデザインを楽しめます。

洗い出しは、コンクリートが固まりきる前に表面を水で洗い流し、中の砂利を浮かび上がらせる工法です。砂利の色や大きさによって、スロープの雰囲気もガラッと変わりますよ。

インターロッキング
洗い出し

手すりは樹脂製のものがおすすめ

思わぬ事故防止のためにも欠かせないスロープの手すり。しかし、ステンレスなど金属製の手すりは、日差しの強い夏は熱くて触れなかったり、冬は冷たくて握るのが億劫に感じたりすることも。

そこで、おすすめしたいのが「樹脂製」の手すりです。手すり部分が樹脂製であれば、炎天下でも熱くなりにくく、冬でも冷たさを感じにくいので、必要なときにしっかりと握ることができます。

手すりは樹脂製のものがおすすめ

歩行をさらに安全・快適に!

アプローチに取り入れたい
2つのポイント

スロープだけでなく、アプローチ全体の安全性や利便性を高めるとさらに歩行が快適に!ここでは、雨の日や夜でも安心して歩くことができるアプローチづくりのポイントをご紹介します。

屋根を設置して、
いつでも快適にお出かけ

アプローチの動線上に屋根があると、悪天候のときに便利です。
特に車いすやベビーカーは車の乗り降りに時間がかかるもの。

アプローチ全体をカバーできるカーポートを設置すれば、愛車の汚れを防げるだけでなく、雨の日でもより快適に車でのお出かけがしやすくなります。

エクステリアライトで夜の歩行も安心

昼間は明るく通りやすいアプローチでも、夜になると足もとが暗く危険が伴います。特に車いすやベビーカーでつまずきや脱輪があっては大変。

そこで、夜間でも安心して通ることができるように、エクステリアライトでアプローチの足もとを照らしましょう。

スロープには歩行の妨げにならない埋め込み型の照明がおすすめです。等間隔に設置することで、夜間でもスロープの端や手すりが認識しやすく安全性を高めてくれます。

アプローチを快適に整える

エクステリア商品をご紹介!

上質で便利な玄関アプローチを
演出する「プラスG」

空間を「間取る」という発想のもと、パーツを組み合わせることで敷地をデザインできる「プラスG」。自宅の外観に合わせたデザインをアプローチにも設えることができます。
屋根を設置することもできるので、スタイリッシュで雨に濡れないアプローチづくりも行えます。

足もとをやさしく照らす
エクステリアライト「美彩」

植栽や壁面を照らす「面の明かり」とライト自身が輝きを放つ「点の明かり」の2種類の照らし方を持つ「美彩」。豊富な21種類のラインアップから、ご自宅の玄関アプローチになじむデザインを選べます。

バックラインライト
ポイントライト

アプローチ沿いの壁面に設置することで、玄関への誘導効果をもたらす「バックラインライト」や埋め込み型の「ポイントライト」など、車いすやベビーカーを使用する方にとっても快適な玄関アプローチにできるアイテムがたくさん。

スロープの設置を検討するなら、ぜひこうしたエクステリア製品を組み合わせて、より便利で美しく、家族みんなに優しいアプローチを完成させてくださいね。