【獣医師監修】犬のやけどや熱中症に注意!夏でも快適な庭づくりのポイント
73

【獣医師監修】犬のやけどや熱中症に注意!
夏でも快適な庭づくりのポイント

様々な希望を叶えて建てたお家でも、住んでいればあれこれ出てくるお悩みや困りごと。そんな住まいのエクステリアのお悩みや、毎日の暮らしがちょっと良くなる「いいコト」をご紹介するこのシリーズ。
ナビゲートするのは、築5年の戸建てに住む主婦の陸田知美(りくたともみ)さん。周りの人からはシルミさんと呼ばれています。情報収集に熱心で、時にはご近所さんのお悩みまで解決してしまうしっかり者。さて、今回のテーマは?

シルミのエクステリア講座

あっ、シルミさん!ひさしぶりね、お買い物の帰り?

そうなの。ところで、一緒にいるワンちゃんはどうしたの!?

最近、わが家の家族になったゴールデン・レトリバーの子犬よ!散歩しているところなの。

すごく人懐っこいのね!可愛いわ。

でも、ワンちゃんを飼うのは初めてで不安もあるのよね。これからは夏の暑さもあるし心配だわ。

たしかに、人と犬では暑さの感じ方も違うものね。じゃあ、ちょっと調べてみましょう!

夏場の犬のお散歩、
なぜ注意が必要?

愛犬とのお散歩はコミュニケーションを深める日々の大切な時間。適度な運動はストレス発散や身体の健康にもつながります。しかし、気温が30℃を超える日も多い日本の夏は、お散歩にも注意が必要です。

特に、犬のお散歩コースがアスファルト道路の場合、強烈な日差しで熱くなったアスファルトを歩き続けると肉球が傷ついたり、ひどいときには裂けて出血したりすることがあります。

太陽光が直接あたる路面は熱を吸収して温度が上昇します。特に熱を吸収しやすい黒いアスファルトの表面温度は60℃を超える*こともあります。犬は約40℃で低温やけどを起こす可能性があると言われているので、真夏のアスファルトをお散歩するときは注意が必要です。

※環境省「まちなかの暑さ対策ガイドライン改訂版(案)」平成30年3月 より

お散歩コースはアスファルトの道もあるから、うちも注意しないと!ほかにも気を付けることを知っておきたいわね。

じゃあ、知り合いに犬・猫専門の動物病院の先生がいるから、ちょっと話を聞きに行ってみない?

そうね!ありがとう、助かるわ!

田中克尚先生を訪ねました

シルミさんと友人は、千葉県で「柏の葉動物病院」の院長を務める田中克尚先生を訪ねました。

おひさしぶりです、田中先生。今日は犬を飼い始めた友人といろいろ尋ねたいことがあって来ました。

よろしくお願いします!最近ゴールデン・レトリバーを飼い始めたのですが、大型犬が熱中症になりやすいって本当ですか?

はい、大型犬は小型犬よりも熱中症にかかりやすいと言われています。

大型犬や短頭種が
熱中症になりやすい理由とは

犬は汗をあまりかかないため、体温調節は基本的に呼吸で行っています。大型犬の場合、体格に対して1回の呼吸で交換できる肺の空気量が少ないため、熱を貯め込みやすいと言われています。実際に小型犬と大型犬の気管の太さや肺の容量を比べてみると、数倍ほどの差しかないものの体重は10倍くらい差があるため、体温が下がりにくく熱中症になりやすいのです。

ほかにも、フレンチブルドッグやパグなど、鼻の長さが短い短頭種*は喉の構造上、熱を逃がすことが苦手なため夏場は特に注意が必要です。

※環境や体調によっても異なるため犬種に限らず注意してください。

大型犬の方が熱中症になりやすいって知らなかったわ。

夏は熱中症にも気を付けないと!ちなみに、私の家では室内で犬を飼っているのですが、犬にとって十分な広さなのか分からなくて…。

大型犬の場合、20畳以上のスペースを確保できると良いと言われています。

獣医師が解説!
犬が快適に過ごせる庭づくりのポイント

advice

暑さに注意してストレス発散!

お散歩が難しいときはお庭の活用を

犬のストレス発散のためにも欠かせないお散歩。特に運動量の多い大型犬にとってお散歩は欠かせません。夏場は熱中症やアスファルトの熱に注意しながら、温度が低い早朝にお散歩したり、日中は犬用の靴を履かせたりして、なるべくお散歩させてあげましょう。

一般的にチワワのような小型犬は室内で走るのでも十分な運動量になるため、ストレスを感じることは少ないようですが、大型犬はそうはいきません。6畳ほどの部屋だとゆっくりとしか歩けないため、ストレス発散のためにはもう少し広さが必要です。20畳以上の広く走れるスペースがあれば理想的ですが、一般の家庭で20畳以上のスペースを室内に確保するのは、なかなか難しいですよね。やはり暑さに注意して、なるべくお散歩でストレスを発散させてあげるようにしましょう。

たしかに20畳以上は難しいわね…!お散歩の時間はどれくらい必要ですか?

大型犬は1日最低30分のお散歩が3回ほどできると良いですね。

もし、それだけお散歩の時間を確保することが難しい場合、自宅の庭を活用するのはどうでしょう?

外の空気を吸うこともひとつのリフレッシュになるので、とても良いと思いますよ!ただ、お庭で遊ぶ際はいくつか注意点もあります。

advice

適切な空間づくりと気配りで

お庭でもやけどや熱中症対策を

お庭を犬の運動スペースとして活用するためには、愛犬にとって快適な空間づくりが重要。特に夏場は、やけどや熱中症の危険性があるため、テラス屋根を設けて日陰をつくる、芝生などで足元が熱くなりすぎないようにするといった工夫が大切です。

また、風が通りにくい場所は熱もこもりやすいので、なるべく風通しを良くして熱中症のリスクを減らしましょう。お庭で遊ぶときも日差しが強い日は外にいる時間を短くして、こまめに水を飲ませるといった配慮も必要です。基本的なことですが、飼い主にとっては少しの時間でも犬にとっては非常に長い時間になることもあるので、犬の立場で気を配ってあげるようにしてください。

私もお庭で遊ばせることが多いから、夏場は注意しなくちゃ。

注意点のほかに犬のストレス軽減につながる、おすすめの庭づくりのポイントがあれば教えてください!

そうですね…犬の性格にも寄りますが、スロープがあるとちょっとしたトレーニングができるので、おすすめです。

advice

身体を動かすアイテムで

犬のリフレッシュ空間に

ダックスフンドなど胴長短足の犬種の場合、年齢によっては階段などの段差が足腰の負担になり、腰のヘルニアを起こしてしまう場合もあります。しかしずっとフラットな場所では運動不足になりがち。そこで、お庭にスロープをつくってあげると愛犬のストレス解消に合わせてちょっとした足腰のトレーニングにもなるのでおすすめです。

また、広さに余裕があるお庭であれば、トンネルなどのおもちゃを置いて犬の遊び場をつくってあげるのも良いですね。

へえ~、いろいろなアイテムがあるのね!あと、お庭にデッキを設置しようと思っているんですが、素材選びで気を付けることはありますか?

滑りやすい素材は犬の足腰に負担がかかるので、注意が必要ですね。

advice

滑りにくさに配慮して

犬の足に負担の少ない素材を選ぼう

タイルやコンクリートなどは、ものによっては犬がターンをした拍子に滑ってケガをする可能性があるため注意が必要です。私たちが氷の上を歩くときに気を付けるように、犬が滑りやすい素材の上を歩くときも重心の掛け方を変えて歩いています。なかでも大型犬の場合、毎日、膝に負荷を掛けて歩いていると間接の湾曲などにつながることもあります。お庭にはウッドデッキや芝生、ウッドチップといった滑りづらく、足腰への負担も少ない素材が犬の健康のためにもおすすめです。

そういえば、こちらの病院の駐車場にもウッドデッキが設置されていましたよね。

そうそう!犬はもちろん、飼い主さんもベンチに座って気持ち良さそうだったなぁ。

私たちの病院ではLIXILさんのデッキDCを採用しているんです。

そうだったんですね!実際に設置してみて、どうですか?

デッキDCは表面に触れても熱く感じにくいので、犬も安心してくつろげる場所だと思います。犬や飼い主さまが心地よく待っていただける場所として活躍しています。

うちの子も気に入ったみたいだし、もう少し詳しく調べてみようかな!

犬の足裏にやさしいデッキDCで
一緒にくつろげる庭空間をつくろう

犬の足裏にやさしいデッキDCで
一緒にくつろげる庭空間をつくろう

デッキDCの1番の特長は、熱さを感じにくい点です。夏場の炎天下のデッキ表面温度を再現し、素足で乗った後の足裏温度を測定したところ、一般的な人工木デッキよりも、約4℃*低い結果が出ています。

※N=7の平均値
※LIXIL自社基準試験に基づいた計測値であり保証値ではありません
※1 引用文献:日本薬理学雑誌 2006年 127巻 3号 P.128

そもそも熱さを感じるメカニズムは、その物体が蓄えられる熱量と熱が伝わる速さによって決まります。そこで、デッキDCは熱の伝わる速さが従来品の約3分の1になる熱伝導率の低い素材を使用し、独自の独立気泡構造を取り入れることで、天然木のように夏場でも快適に過ごせる人工木デッキを実現しました。

項目一般の
人工木
デッキDC天然木
(イベ材)
熱が伝わる速さ
熱伝導率(W/m・K)
0.330.130.22
蓄えられる熱量
単位体積あたりの熱容量(kJ/m2・K)
17587071350

また、お庭でたくさん遊んだあとやお散歩のあとは、思った以上に犬の足が土や泥で汚れます。ウッドデッキがあると、土から離れて身体に付いた汚れを洗い流すことができます。

人工木のデッキDCなら、汚れが染み込みにくく、デッキ表面に落ちた土汚れを簡単に水で洗い流せます。干割れやささくれもないので、犬の足裏にも安心です。

夏は熱さ対策をすることで、お庭でも適度にワンちゃんのストレスを発散できそうね。

そうね!私も先生みたいに自宅の庭にデッキDCを設置しようかな?

 飼い主さまからの反応も好評ですし、私もシンプルなデザインが気に入っているので、とてもおすすめですよ。