資産価値を考えた外構づくりのポイント【不動産鑑定士が分かりやすく解説!】
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資産価値を考えた外構づくりのポイント
【不動産鑑定士が分かりやすく解説!】

様々な希望を叶えて建てたお家でも、住んでいればあれこれ出てくるお悩みや困りごと。そんな住まいのエクステリアのお悩みや、毎日の暮らしがちょっと良くなる「いいコト」をご紹介するこのシリーズ。

ナビゲートするのは、築5年の戸建てに住む主婦の陸田知美(りくたともみ)さん。周りの人からはシルミさんと呼ばれています。情報収集に熱心で、時にはご近所さんのお悩みまで解決してしまうしっかり者。さて、今回のテーマは?

シルミさん、こんにちは!今日はお家に呼んでくれてありがとう!

いらっしゃーい!こちらこそ、遠いのに来てくれてありがとう。

いいのよ。それにしても、本当にすてきな自宅ね…!
実は私たち夫婦もそろそろ家を建てようって話しているところなの。

それはとても楽しみ!家づくりって大変だけどワクワクするわよね。

本当にね!でも家って「資産」という見方もあるでしょう?家を新築するときでも、そういう資産価値って意識したほうがいいのかな?

そうね。将来はライフスタイルが変化するかもしれないから、考えておいた方がいいかも!

なぜ、資産価値を意識した家づくりが大切?

新築住宅を検討するときは、誰でも「一生住む家をつくりたい!」と思うもの。しかし、転勤で職場が遠くなったり、子どもが就職・結婚して家を離れたり、ライフスタイルの変化で住み替えが必要になり、住まいを売却する可能性は誰にでも考えられます。

そのとき、資産価値の高い住まいであれば、売却したお金で新たな住まいを購入する資金にできるなど、安心感を得ることができます。ライフスタイルの変化に対応できるように、資産価値を意識して新築やリフォームを検討することは大切です。

たしかに、子どもが家を離れたらスペースが余って、コンパクトなマンションに引っ越すこともあるかもしれないわね。

少しでも高く売れる家なら、“もしも”のときに安心よね。立地はもちろん、内装や設備で住みたいと思われる家にすることは大切かも。

そうなのね。ちなみに、庭や外構はどうするのが良いのかしら?

そういえばそうね。じゃあ、知り合いに不動産鑑定士の方がいるから、ちょっと話を聞きに行ってみない?

シルミさんと友人は、愛知県で「ミッドポイント不動産鑑定株式会社」の代表取締役を務める堀田直紀さんにお話を伺いました。

PROFILE

堀田 直紀さん

不動産鑑定士・宅地建物取引士。
民間最大手の不動産鑑定会社に10年以上勤務し、現在はミッドポイント不動産鑑定株式会社の代表取締役を務める。

こんにちは、堀田さん。今日は住まいの資産価値と外構づくりの関係について聞きたくて来ました。

よろしくお願いします!実は今、新築住宅を検討しているんですが、資産価値を考慮した外構づくりのポイントってあるのでしょうか?

そうですね、資産価値は立地や間取りなどから総合的に判断しますが、外構も住まいの付加価値として判断できる場合もあります。

まずは見た目から!

街並みや建物との調和を意識しよう

物件情報が紹介されているサイトを見ると、外観の写真を最初に掲載していることが多いですよね。第一印象で「すてきだな」と思われる家は住みたい人も多く、資産価値が高くなるので、外からの見た目も重要なポイントです。

外からの見た目に配慮して外構をつくる際、注目したいのが街並みや建物と上手く調和しているかという点です。
たとえば、高級感あふれるデザインが多い住宅街では防犯性の高い外構が多いため、ガレージや門扉を設けてしっかりした印象の外構にしたり、ゆとりのある玄関アプローチにすることで街並みと調和しやすくなります。家を建てるときは、どのようなデザインが多いのか事前に確認したり、完成後の姿を想像しておくといいですね。

あとは建物と外構の調和を考えることも大切です。建物が木の温かみのあるテイストであれば、木目調のフェンスや門扉で揃えたり、外構も建物に近い素材や色を使用すると調和が取れます。上手くバランスを取りながら、建物となじむ外構にするのがポイントです。

街並みはあまり見ていなかったかも!これからの参考にします。ほかにはどういったポイントがありますか?

やはり住みやすさと機能性を両立させることでしょうか。

住みやすい設計や

時代に合わせた機能性があると◎

室内の間取りを考えるときに、暮らしやすい動線を意識する方は多いと思います。同様に外構づくりでも動線を意識すると良いかもしれません。

門扉から玄関ドアまでのアプローチを設計する場合、動線を短くした方が出入りを早くすることができますが、快適さを感じるゆとりや防犯性が高いことも大切です。効率性だけでなく、心地よいアプローチになっているか、外からの視線は気にならないかなど、具体的にイメージしてみましょう。

駐車場を設計するときも停めやすさだけでなく、車から室内へ荷物を運びやすい動線をつくっておくこと。雨が降っても駐車場から玄関まで濡れないようにカーポートを設置するのもいいですね。

また、時代のニーズに合わせて外構の機能性を高めるのも効果的です。最近ではインターネットで買い物をする方も多いので、不在時でも荷物を受け取ることができる宅配ボックスの人気が高まっています。こうした人気設備があると、物件を売却や賃貸に出すときでも選ばれやすくなります。

宅配ボックス

宅配ボックスは私も欲しいと思っていたのよね。ほかにも最近の傾向から考慮すると良いことってありますか?

購入される方も高齢化しているので、車いすでも入れるスロープや歩行の補助になる手すりといったバリアフリーに配慮した設計や設備があると、住まいの付加価値が高まる可能性もあります。

なるほど!バリアフリーは考えたことなかったわ。ちなみに、植栽はどのように判断されますか?

植栽は植えた方が良いですが、メンテナンスには注意してほしいですね。

お手入れのしやすさは?

メンテナンスや耐久性をチェック

シンボルツリーが街並みに美しく調和した住まいは、すてきな景観をつくり出す資産として愛着が高まります。しかし、あまりたくさんの植栽が生い茂っていたり、葉をすべて落とす落葉樹が多いと住んでからのお手入れが大変です。

資産価値の面でも、将来購入した方が維持管理しやすい植栽を選ぶのがおすすめです。

また、エクステリアの設置でチェックしたいのが耐久性。手軽に外の自然を楽しめるウッドデッキは人気のエクステリアアイテムですが、木材の種類などによっては雨風に長年さらされると腐食する可能性もあります。せっかく設置するのであれば長く使用できるように、耐久性に優れたエクステリアアイテムを選ぶことが大切です。

建物の外観や間取りだけじゃなくて、外構も住まいの価値につながるのね。

資産価値は大切ですが、やはり1番は長く暮らすご自身が快適に過ごせる住まいであることです。その上で将来的に売却したり、賃貸に出す可能性がある方は、今回ご紹介したポイントを参考に外構づくりを行うと良いですね。

たくさん教えていただき、ありがとうございます。これからの家づくりの参考にさせていただきます!

建物との調和や機能性を考えた
LIXILのおすすめエクステリアアイテム

一体感のあるデザインをかなえる
「SCシリーズ」

カーポートやテラス屋根を設置したい方には、シンプルなデザインを追求した「カーポートSC」と「テラスSC」がおすすめです。同一シリーズでまとめることで外観全体の一体感がつくりやすく、街並みにもすっきりと調和します。

どちらも住まいの外観に合わせて選べるカラーバリエーションをご用意。金属光沢を抑えたマットな質感が特長のシャイングレーFやナチュラルシルバーFは、シンプルモダンやスタイリッシュな建物にすっきりとなじみます。

また、ナチュラルな印象の建物には木調色のカーポートやテラスがぴったり。スマートなデザイン性はそのままに外観に温かみをプラスします。

機能的でデザイン性に優れた
「スマート宅配ポスト」

宅配ボックス、ポスト、サイン、インターホンの機能がコンパクトにまとまった「スマート宅配ポスト」。2リットルのペットボトルが12本入る大容量ながら、あらゆる玄関にすっきり納まり、機能性をアップできます。

一般的な宅配ボックスは荷物が1つ入ると鍵が掛かるため、中の荷物を取り出さない限り、2つ目以降の荷物は受け取ることができません。しかし、スマート宅配ポストはスマートフォンと連動することで、遠隔からの操作が可能に。宅配ボックスの解錠がスマートフォンからできるので、2つ目の荷物を入れてもらうこともできます。

デザイン性とメンテナンスのしやすさを
両立する「デッキDS」

デザインにはこだわりたいけれど、メンテナンスは簡単なデッキにしたいという方におすすめなのが「デッキDS」。デッキ表面は特別な製造方法で、本物の天然木のように繊細な色の濃淡や質感を表現しています。

日々のお手入れが簡単な点も魅力のひとつです。土汚れは水できれいに洗い流せて、デッキ表面に付いた傷もナイロン不織布で簡単に補修可能。また、デッキDSは人工木のため湿気で腐ったりすることがなく、シロアリの食害の心配もありません。

LIXILのエクステリアなら、同じシリーズで街並みと調和のとれた外構づくりができそう!デザイン性や機能性、メンテナンスのしやすさに配慮されたアイテムも豊富で、資産価値にも考慮した住まいをつくれそうね!

本当ね!私はシンプルなデザインのカーポートSCが気に入ったから、帰ったら夫に相談してみようかしら。