【建売住宅・リフォーム編】
外構工事の流れを徹底解説!
建てたあとからのエクステリアづくりのコツ
前回の記事(NO.47)では、新築戸建ての外構工事の流れやエクステリアづくりのポイントについてご紹介しました。新築のときは、エクステリアや外構工事を後回しにしないで、家づくりの早い段階から検討することが住まいへの満足度を高めるポイントでした。
では、新築であってもすでに建物が完成している「建売住宅」や、すでに入居して外まわりはこれから…といった「築浅リフォーム」の場合はどうでしょう。今回は【建売住宅・リフォーム編】として、エクステリアをあとから設置する場合のコツや、外構リフォーム工事で起こりがちなご近所トラブルを避ける方法について解説します。
目次
外構工事のポイントと流れを知ろう!
ポイント
【建売住宅の場合】
すでに建物は完成していても、外構は土間コンクリートの駐車スペースがあるだけ、塀やフェンスが無いなど、立地や周囲の条件によっても、物件ごとにその状態はさまざま。そのため、希望通りの外構にしたいときは、自分で外構専門会社を探さなければなりません。建物が完成しているので、家と調和したデザインや使いやすい外構がイメージしやすい一方、施工されている土間コンクリートなどを取り壊す場合もあるので、解体・撤去費が必要になるケースがあります。
【築浅リフォームの場合】
リフォームの目的(希望や解決したいお悩みなど)をはっきりさせることが大切。目的を明確にすることで、具体的なプランや予算を立てやすくすることができます。また「門だけ」「庭のフェンスだけ」など外構の一部をリフォームする場合は、建物やアプローチ、家の中からの見え方など、住まい全体のデザインと調和しているかが大切なポイントです。予算ありきでちぐはぐな仕上がりにならないようにしましょう。
工事の流れ
建物を依頼した会社に相談するか、自分で探した外構専門会社に依頼しましょう。外構専門会社に依頼する場合は、「エクステリアプランナー」や、「造園施工管理技士」「造園技能士」といったエクステリアのプロのアドバイスを聞くことができます。
相談する会社を選定
ある程度のイメージがまとまったら、外構について相談したい会社を何社か探して連絡を取ります。インターネットで検索する、建物を依頼した工務店に相談して追加で依頼や紹介してもらう、エクステリア設備メーカーのショールームで紹介してもらうといった方法があります。
エクステリア専門コーディネーターのいる
ショールームで相談してみよう
現地調査・打ち合わせ
相談する会社を絞ったら、外構工事会社と現地調査と打ち合わせを行います。このときに、どのような外構にしたいのかイメージを伝えましょう。リビングにいる時に外の視線が気になるのでカーテンを閉めている…など、家の中で過ごしている時に感じていることも相談するとよいです。
見積り・契約
外構工事会社からプランと見積り書をもらい、内容を確認します。変更したい点があれば伝えて、再度プランと見積り書をもらいましょう。納得できる工事内容になっていれば、いよいよ契約です。
着工、完成・引き渡し
工事中にトラブルが起きないように、工事前にはご近所へ挨拶されることをおすすめします。工事内容によっては大きな音がでたり、資材の搬入出でトラックが行き来することもありますので、工事を依頼した会社に注意喚起を促しておくことも必要です。また、スケジュール通りに進んでいるか、施工が図面通りかなど現場でも確認するようにしましょう。
※あくまで目安の進め方になります。詳しい進め方については依頼先に確認ください。
建売住宅にあとから外構をプラスするコツ
新築の建売住宅を購入したものの「なんとなく外まわりが味気ない」「近隣や通行人の視線が気になる」「玄関ドア前まで人がはいってこられるので不安」と感じることがよくあります。そのため、オープンな外構が多い建売住宅では、外観のデザイン性や防犯性の向上など、外構工事をあとから検討する方が多いようです。
せっかくなら見た目+暮らしやすさをアップ!
外構に味気なさを感じる場合、外まわり空間を「間取る」ことで、個性を演出しながら一体感のあるエクステリア空間をつくることができます。最初に敷地全体をゾーニングし、門まわりやカースペースなどのアイテムの配置をイメージします。各ゾーンの目的や動線を意識するとさらに暮らしやすさがアップ。建物のテイストに合わせて植栽などを加えると、外観デザインと調和した外まわりに仕上がります。
築浅リフォームでの外構づくりのコツ
暮らし始めて4~5年ほど経つと、住まいや周囲の環境にも変化が出てきます。「そのうちやろう」と思いながらも、そのままにしている庭や、気になる窓の外からの視線など。実はこうした生活ストレスも、外構リフォームで解消することができます。
メンテナンスが簡単なお庭にしよう!
入居してすぐの頃はこまめにしていた庭のお手入れも「忙しくて庭のメンテナンスができない」「年々増える雑草対策が大変」と、つい後回しになりがち。そんなときは、ウッドデッキやテラスを設置するのはいかがでしょう。目に見える地面を少なくすることで日々のメンテナンスの負担が減らせます。
外からの視線を遮ってのびのび暮らす
入居してから何年か暮らしていると「自宅近くに高い建物が建って、外からの視線が気になる」といったことがあります。せっかく日当りの良い位置に窓があっても、視線が気になってカーテンを開けられないのはもったいないですね。そんなときはフェンスを設置して外からの視線を遮ることで、のびのびと生活することができます。
工事の際によくあるご近所トラブル5つ
入居してまだご近所との関係性が浅い場合、外構工事がきっかけでちょっとしたことでトラブルになることも。これからお互いに気持ちよく生活していくためにも、事前にしっかりと準備をしておきましょう。
騒音
小規模な工事であっても、騒音は必ず発生します。ましてや、規模の大きな外構工事ではかなりの音になります。ご近所の方には事前に、工事期間や施工時間帯などを伝えておくことが大切です。
粉塵
外構工事の種類によっては、古い門や塀を解体した上でエクステリアを設置するケースもあります。このようなときには特に、コンクリートやアスファルト、タイルなどの粉塵が飛散しがちです。また、風によって思いのほか遠くまで粉塵が飛び、洗濯物を汚してしまうというケースもありえます。粉塵防止シートなどで養生をしても完全に防ぐことは難しいため、やはりご近所への周知と協力の依頼が重要になります。
振動
大規模な工事になると、使う重機も大型のものになります。この場合、どうしても振動がともなうため、なるべくご近所に迷惑がかからないよう依頼した工事会社の方には細心の注意を払ってもらいましょう。
スタッフのマナー
工事に関わる作業員の話し声や、指示の声が迷惑になる場合もあります。また、休憩時間であっても人目につく場所に座り込んだり、タバコを吸ったりするのを気にする方もおられます。こうした些細なことが苦情につながらないよう、依頼した工事会社の方にしっかりお願いしておきましょう。
工事車両の駐車スペース
工事期間中は、現場近くに一定期間工事車両を駐車することになります。住宅地などでは特に通行を妨害することがないよう、近くのパーキングや駐停車が可能な場所などを事前に調べ、依頼した工事会社の方と打合せをしておきましょう。
挨拶まわりの重要性
先にあげたようなトラブルを回避するためには、事前のご挨拶が非常に重要になります。依頼した工事会社だけで行う場合もありますが、できれば施主の方も一緒に同行するのがおすすめです。
挨拶をする時期
早すぎても忘れられてしまいますし、急すぎても失礼にあたりますので、目安として、1週間前には終わらせるようにしましょう。
持っていくもの
「工事のお知らせ」を配るだけのこともありますが、できれば粗品もお持ちすると、より印象がよくなるでしょう。
□ 書類(工事のお知らせ)
□ タオルなどの日用品やお菓子などの粗品
挨拶まわりをする範囲
近隣の状況にもよりますが、一般的には両隣と真裏、正面のお宅の4軒にはうかがいましょう。工事の規模が大きくなる場合は、さらにその隣といったように範囲を広げていきます。
挨拶まわりで伝えるべき項目
下記が挨拶まわりの時に伝えるべき内容です。ほとんどの施工会社で見本を持っていますので、そこに今回の内容を加え「工事のお知らせ」を作成します。
【工事のお知らせに記入する内容(例)】
□ 工事の開始日と終了日
□ 工事の時間帯
□ 施主の住所と氏名
□ 外構業者の住所と担当者の指名・電話番号
□ 工事期間中の休日
□ 施工内容
□ 騒音や振動に対するおわびと協力の依頼